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●Disc.110
「東口ミステリー!書店がないのはなぜ?」
今回の「DJ」は、仙台駅東口のある事に気付いちゃったという匿名男性からのご質問です。
『東口に書店がないのはなぜ?』
言われてみるとたしかに本屋さん、ないですねぇ。
東北最大のターミナル駅であり、JRや地下鉄、バスなど多くの路線が乗り入れる仙台駅。
その西側には近年、全国展開する大型書店の出店が相次いだ事もあり、かなりの店舗を数えるのですが、仙台駅の東口および東側の歩ける範囲で、書店を見つける事は難しいのが現状です。
ビジネスマンやご近所の方に聞いても「不便を感じるけど、駅まで買いに行く」とか、「どうしてか分からない。言われて初めて気付いた!たしかに」といった、疑問や驚きの声。
東口での街頭調査を切り上げ、一番町四丁目商店街へ移動。全国展開する書店に、今回の疑問をぶつける事にしました。
あゆみBOOKS仙台一番町店は、開店からわずか3ヵ月で東日本大震災が発生し、入居する商業ビルが被災。去年12月までの長期間、休業を余儀なくされました。
そもそも被災をしてまでなお、仙台駅西側の元の場所で再オープンをめざしたのか? 統括店長の栗原さんによると、震災前の開店当初、書店のなかった一番町四丁目商店街への出店という事で、便利だと好評を博していた。そして、まだこれからという時期の被災……。悔しさと同時に「まだこの場所でやれる」という思いから、同じ場所での再開を選択したそうです。
では、今回のテーマ。どうして仙台駅東口には本屋さんがないのでしょうか? 栗原さんによれば、東口は商圏が弱く、そもそも物件数が少ない。商店街もない。書店を出すには、条件が厳しすぎるというのです。
あゆみBOOKSでは、楽天イーグルスの仙台での創設を機に東口へ出店を検討した事もあるといいますが、結局はコンビニやドラッグストアとの家賃競争で勝てなかったそうです。 ただ、今後東口の再開発が進めば「ウチだけでなく出店したいと考える書店はあるのでは?」と、話して下さいました。
また、県内で4店舗を展開する金港堂は、取材に対して「かつて東口では商売にならなかった。現在は、物件等の関係で今のところ縁がありません」とコメントしています。
東口に本屋さんがないのは、なぜか? この疑問には今後、駅周辺の人の流れを占ううえでの大きな意味がありました。
市場調査のプロは、仙台駅西側の書店はすでに厳しい競争にさらされていると分析します。 カフェスペースを設けたりなど差別化を図っているものの、すでに飽和状態。この先、閉店する店も出て来るのでは……と、帝国データバンク仙台支店の遠峰さん。
対する東口は、やはり「駅裏」というイメージがこれまでは強かったものの今後、仙台駅東西自由通路の拡張や隣接する商業施設・ホテルの整備、東口改札の設置などで人の流れが変われば、マーケットとして大きな可能性を秘めている場所だとか。
そうなればこの先、東口で気軽に本を買う事ができるような書店の進出もあるかも知れませんね。
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