みやぎをリサっち
安東理紗が「県内の今」そして、りさんぽで一度行ったところをめぐります。



[平成23年4月29日(金)放送]

○● 南三陸編 ○○

3月11日の東日本大震災で、きれいな海の町の景色が一変してしまった南三陸町。
私が以前「りさんぽ」で訪れたときは、白い砂浜にきらきらと輝いた海がとても印象的でした。ところが広範囲にわたり波が押し寄せ(聞くところによると20mを超えたとも)、報道されている通り、どこに何があったのかわからないというのが正直なところ。
何度も映像で見ていたはずなのに言葉を失って胸が詰まってしまいました。
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以前お邪魔した、おさかな通りにあるお店「汐風カフェ」。
2年前の7月30日がオープン初日でその数日前に取材に行きました。「ボックスショップ」と言って、いろんな手作り作家さんの作品を一人一人が箱の中に世界を作り販売しているかわいい雑貨のお店でした。
ところがその新しかった建物も数々の雑貨達も流され瓦礫の山に。看板だけになってしまっていました。いや、むしろあの状態では看板があっただけでも奇跡というくらいです。
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●ふんばろう南三陸プロジェクト
それでも南三陸では元気を、底力を見ることができました。
まずは、「ふんばろう南三陸プロジェクト」。これはわたしの会社ブログでも載せたのですが、被災された方と東京の事務所が密に連絡をとっていて「被災地のいまほしいもの」を発信しているんです。
在宅被災者は物資が行き渡らない現実があり、また届いたとしても刻一刻と変わりゆく必要な物がもらえないのです。たとえば生活が始まっている今必要な物は、洗剤・シャンプーといった生活用品。また、洋服もだんだん暖かくなってきたのでダウンコートなどではなくて、春物がうれしいそうです。
全国からの「何かできることをしたい」という気持ちを形にするため、本部の東京でHPにほしいものを載せ、それをツイッターなどで発信して物資を集めるというまさに現代の支援システムです。
南三陸で窓口になっているのが、おさかな通りで「さかなのみうら」を経営していた三浦保志さん。三浦さんもお店や家が波に飲まれ建物の骨組みを残すのみになってしまっているのですが、お兄さんのお宅を借りて、全国からの物資を仕分けして、配達しているのです。もちろんガソリン代などは出ません。それでも自分の町を取り戻すため、ボランティアに頼るのではなく「自立」してもらうためにこういった活動を続けているのです。本当に頭が下がります。
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●福興市
さらに復興に向けてイベントがあります。4月29日、30日の2日間南三陸町志津川中学校で「福興市」が開催となります。復興を目指して福を呼ぶという意味をこめて「福」となっています。
これは地元の方が企画したお祭りで、企画した海産物販売店の山内さんによりますと
●志津川の方に元気になってもらいたいということ
●商店の方がまた仕事にもどれるようにすること
などの思いがこめられています・・。
お祭りでは参加・協力してくれる商店の方による15のテントでの名産品の販売や、歌や楽器演奏など楽しい企画が。また志津川の名物「タコ」を使って「TACO通貨」というのを配るそうで、被災者は「300TACO」が配られるということですが、外部から来たお客さんは現金で買うことになっています。
被災者にも特別扱いはせず「買うこと」を忘れてほしくないということもあり、地域通貨を利用することにしたとお話していました。ここでも自立に向けて考えられていました。
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辛い避難所生活の中でも、助け合って笑って過ごせるような工夫をしている南三陸の皆さん。「もう起きてしまったことは仕方ない、海の町が再びもどるように前向きに頑張るだけ」と語る山内さんをはじめ、ほかの方々も、海や自分の住んでいた町が見える高台で避難生活を送っていながら、明るく笑顔で前に進もうとしていました。
ゆくゆくは南三陸の物産だけでお祭りをしていきたいということを話していましたが、私たちも、こうしたお祭りに行って物産を買ったりすることが支援につながるのだと思いました。とにかく、「ふんばるしかない」のだと再確認しました。

今日もとてもきれいな海でした・・
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