みやぎをリサっち
安東理紗が「県内の今」そして、りさんぽで一度行ったところをめぐります。



[平成23年5月13日(金)放送]

○● 塩釜編 ○○

震災から2カ月がたちました。少しずつ復興しているところと、まだまだ瓦礫の山でまったく変わらないところの格差が生まれ始めています。
それでも少しずつ変わっているところを見つけに散歩してきました。

今回お邪魔したのは「塩釜」。仙石線も東塩釜駅までは4月19日に再開されています。 まず本塩釜駅を出発、一見泥などがなくなっているように見えるのですが、ところどころ信号機がついていませんでした。事故が起こらないよう警察の方が手で交通整理をしていましたがこれで2カ月も過ぎてしまったのかと思うと大変です。
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●しらはた
そんな中GWに向けてお店もオープンさせているところもあり、ホッとする光景もありました。たとえば塩釜の有名すし店「しらはた」では、震災直後津波が2m押し寄せすぐには営業できない状況になっていたのですが、連休前に片づけを懸命に行い、北海道や青森などから取り寄せた魚でお寿司を提供しているのだそうです。
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●松野鮮魚店
海岸から1kmのところの「もとまち商店街」も津波が押し寄せていました。
りさんぽで以前お世話になった店舗はそれぞれ営業していて「松野鮮魚店」では店頭で焼き魚を焼くスタイルも変わっておらずホッとしました。震災後津波が50cmくらい来たということで、冷蔵庫や釜などすべてダメになってしまったそうですが、数メートル離れた仕出し屋「松野」さんが被害にあわなかったため、そちらで炊き出しをしたり、惣菜を作って販売したりしていたようです。
三陸の魚が入らない今は青森や西の方から魚を仕入れており、刺身や焼き魚など依然と変わらない品数を提供してくださっていました。また、お客さんの要望で鶏のから揚げなども販売し人気のようです。
とにかく自分で作ることができない期間が続きましたが、その間でもすぐ食べられるようにと素早く動き、町の方の食卓を支え続けてくださったお店とお客さんの絆を深く感じることができました。
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●おさんこ茶屋
一方「おさんこ茶屋」は以前津波が来たときに今のままではいけないとスロープをお店の前に作ったことが功を奏し、店内には波は来なかったようです。それでも材料のお米屋さんが被災し、お米を仕入れられなかったこともあり、当初はお店を開店するも、持ち帰りのずんだもちのみだったそうです。それでもお彼岸やお花見のシーズンでおだんごのニーズもあったことから多くのお客さんでにぎわいました。
お米が少しずつ入るようになった今でも、品種が違うこともあり、水分量の調整など日々工夫をしながら江戸から伝わる味を守り続けていらっしゃいました。
私もいただいたずんだのお団子!ここのはツブツブの残り具合が多すぎず少なすぎず適度で、ちょうどとろっと団子にからむんです!2年ぶりの味を堪能しました。
ご主人は営業できない店舗がある中、自分たちばかり・・という思いがあったそうですが、それでも「塩釜」にお客さんを呼ぶためには今営業を再開できるお店ががんばることが大切だと話していました。
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●伊保石地区
最後に訪れたのは県内で一番最初に入居したという塩釜市伊保石地区の仮設住宅。宮城県で5月12日(木)現在2005世帯がプレハブの仮設住宅に入居しているということですが、その中でも53世帯がここで暮らしています。
また中心部から少し離れていることもあり、車が流された方、高齢者のために移動販売の車が月曜日〜金曜日午後2時からいらっしゃいます。生鮮食品などのほか、下着や洗剤類など200種類ほど並んでいて、多賀城のマックスバリューにあるものでしたら、注文も受け付けているということで、市民にはありがたい場所となっていました。

1DKのお住まいを拝見させていただきましたが、正直びっくりするほどの設備ときれいさ。4.5畳くらいのスペースと少々小さめではあるのですが、冷蔵庫、ガスレンジ、洗たく機、テレビ、電話、ポット、炊飯ジャーなどといった家電製品などがそろっていたり(石巻赤十字病院から届いているそう)、お風呂とトイレもそれぞれの家についているのです。住んでいらっしゃる方も「これ以上のものはない、ありがたい」と話していました。
ただ、その一方で住んでみると、虫が出る、壁がうすくて隣の家の声がまる聞こえ、洗たくものを干すスペースがないといった不満もあるようです。町までいくのにバスが出ていますが本数が少なく、車も流されているためタクシーなどを利用して余計にお金がかかっているなど、改善すべき点もまだまだあるようです。それでも一歩ずつ進んでいることへの喜びがまず感じられました。今日からまた第二次仮設避難所の入居が始まるということです。

塩釜の方のあたたかい雰囲気が変わってなくてほっとしました。
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