みやぎをリサっち

安東理紗が「県内の今」そして、りさんぽで一度行ったところをめぐります。



[平成23年8月5日(金)放送]

○● 桂島編 ○○

●船で桂島へ
今回の「みやぎをリサっち」は塩釜浦戸諸島のリゾート地・桂島です!

震災前はマリンゲート塩釜から船に乗って23分で到着・・のはずでしたが、実は今は40分ほどになりました。というのもいつもの航路の水深ががれきにより1mほどになって通れなくなってしまい、沖合運行に変わっているからなんです。

その船でご一緒になったのは「カリタスジャパン」というボランティア団体の皆さん。塩釜の教会に拠点を置いてボランティアを続けているそうです。リーダーの蒲地さんは20回ほど桂島に来ているようで、泥のかきだしから海水浴場の清掃、そしてこの日は公園の雑草除去をしにいらしていました。徐々にボランティアへの依頼内容というのも「観光地」らしいものに変わってきているようです。
また夏休みということで地元の高校生も参加していて頼もしかったです!
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●民宿阿部
さてさて、桂島に到着すると2年前にお世話になった民宿阿部の弓子さんと再会。
お母さんの顔を見て抱き合った時に思わず涙が出そうになりました。
民宿は少し高いところにあるので、被害は免れたそうですが、それでも民宿の自慢の海の幸の料理が出せないことや、お客さんに瓦礫の山を見せたくないという思いから営業はできないそうです。豪華料理がついた一泊二食付き6500円の格安民宿の再開・・心から楽しみです。
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●桂島海水浴場
続いて、お母さんに案内していただき桂島海水浴場に向かうと、コンテナと船が少し残っているものの砂浜が徐々に見えてきていました。これもボランティアのスタッフのたゆまぬ努力のおかげなんだとか。
例年だとこの時期は海の家が2軒出ており、にぎわっているはずでした。きれいに整備された公園でウッドデッキのベンチに腰掛け、読書したこともあったなぁ〜なんて思いだしながら大好きな桂島の海を見ていました。来年こそは!みんな気持ちは一つです・・。
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●のり養殖
桂島には13ののり養殖業を営むご家庭がありました。機械が流されて今残っているのはそのうち4軒。網も流され、機械は莫大な資金がかかるため、すぐに養殖業を再開することは難しいとのことで、今年は「皆で協力して」のり養殖をすることにしたのだそうです。
お邪魔した時はちょうどのりの種をつけるための網を整備しているところでした。普段は一軒一軒それぞれでしている作業を皆で力を合わせて行っていることもあり、にぎやかできらきらした笑顔が印象的でした。
作業はだいぶ遅れているとのことでしたし、やってみないと海の中の状況はわからないといった不安はあるものの、後継者のためにも桂島のためにも絶やさないことが重要だと阿部義彦さんは語っていました。
また、息子の義隆さんもこの震災により「地元に対する思い」、「最年少の自分が守っていかなければいけないもの」の大きさが強まっていることに気付いたそうです。2年前にお会いした時よりも逞しく感じました。
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●内海酒店
最後にソフトクリームをいただいた内海酒店にもお邪魔しましたが、津波が押し寄せ現在はブルーシートが張られていて営業はしていませんでした。貴重な時計つきの自動販売機も波にもっていかれたそうです・・。それでも待っている人がいる限り何とかしてお店は復活させたいと和江さん。
和江さんには避難所で島を離れて行った人を思って書いたという「島唄」を披露していただきました。和江さんの歌声を聴いていると美しい花々がまぶしい桂島の自然・優しい人々の顔が浮かんできて涙があふれました。
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多くの損害を出しながらも犠牲者を一人も出さずにすんだ桂島。それでも塩釜や遠方に行った人もいるのです。いつの日か帰ってくるのを楽しみに、それまでみんなで協力しながら島を復活させようと明るく毎日ふんばっている皆さんの姿に元気をもらえました。

ちなみに8月13日(土)花火大会があります。船は予約が必要ですが、船上タクシーなどを利用しても行くことができるそうです。くわしくは塩釜市のHPで♪

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