みやぎをリサっち

安東理紗が「県内の今」そして、りさんぽで一度行ったところをめぐります。

りさんぽバックナンバー



[平成24年8月31日(金)放送]

○● 石巻市中心部編 ○○

●旧観慶丸商店 復興ステーション
旧北上川のそばにある石巻市中心部。りさんぽでも訪れた場所でしたが、震災から間もなく一年半という中で、変わっている部分と変わらない場所を見てきました。

まずは老舗陶器店「旧観慶丸商店」から。タイル張りの立派な洋風建築は、以前から歩く度に気になっていましたが、実は80年前に建てられたビルで、石巻で初めての百貨店として町の方に親しまれていました。しかし、ここも一階部分は津波の被害に遭い、お店を営業できないでいました。
そんな中、この建物の魅力を県外の人に知ってもらい、後世に残していきたいと、地元のスポーツ店の松村さんが立ち上がり、ボランティアの協力のもと、改装工事を行いました。無事に、今月頭の川開きまつりにあわせ「復興ステーション」としてオープンし、町の方の情報を得る憩いの場所として、また仮設住宅で暮らすお母さんが作ったグッズを販売するショップとして使われています。
新しい街づくり計画では橋を作って道路を拡張する可能性があり、そうなると観慶丸商店もなくなる危険性もあるので、ボランティアの方に頼りすぎるのではなく、地元の方が自分たちの力で「復興のシンボルとして残したい」と思うことが大切なのだとお話ししてくださいました。
 ●『旧観慶丸商店 復興ステーション』 石巻市中央3丁目6-9
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●商店街アイトピア通り
続いてすぐそばの商店街アイトピア通りにお邪魔すると、一本住宅地に入ったあたりに畑がありました。この畑、実は家族を津波で亡くされた近所の方を励ますために、衣料品店を営む首藤ツマ子さんが始めたもの。きっかけは愛知県から支援物資としてコスモスの種が送られてきたことだそうですが、今ではコスモスやヒマワリに加え、数種類の野菜も育て、ご近所におすそ分けをして楽しんでいるようです。水やりも最初はツマ子さんが率先して行ってきましたが、徐々にいろんな方が興味を持って取り組んでいるそうです。
ツマ子さんのお店もいまだ手芸店だった元のようにはいかず、これからのビジョンが見えない中で不安もあるそうですが、津波の爪痕が残る建物の間で毎日懸命に育つ作物にパワーをもらっていらっしゃるようでした。
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●石巻まちなか復興マルシェ
さて、石森漫画館の近くには今年6月に石巻まちなか復興マルシェという商店街がオープンしていました。ここは津波で店舗を失った鮮魚店や飲食店など7店舗が集まるところで、明るく開放的で、フードコートなどもあって工夫されていました。ちょうど取材で訪れた日は山梨県から「世界一大きなオルゴール」がやってきていたので、にぎやかな印象を受けたのですが、石巻しみん市場の色川社長にお話をうかがうと、厳しい現状も聞こえてきました。
というのも、マルシェの周りに住んでいる人も少なく、住民も津波被害を受けていない大型ショッピングモールに行ってしまうため、なかなかお客さんが集まらないのだそう。品数も今までの半分以下ということでしたが、それでも地元で水揚げされた魚を販売できることに喜びを感じ、魚町の昔の店舗で復興できるまで一歩一歩進みたいと話していました。石巻しみん市場には以前ラジオカーで取材をさせていただいたことがあるので、 個人的には再会がうれしい取材でもありました。
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そしてもうひとつうれしかったのは、お隣「石巻うまいもん屋」の豪快海鮮丼をいただいたこと!はみ出るほどの大きなネタと、種類の豊富さはさすが海の町と言った感じ。贅沢なひと時でした。
やはり私たちがいまできることは、「行って、買う、食べる」というところでしょうか。秋になるとサンマやカキが入ってにぎわうとのことなので、また行ってみたいです♪
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