阪神淡路大震災から20年が経過した神戸で、石巻市北上町十三浜の大室南部神楽が披露されました。
舞台を心待ちにしていた神戸市長田区の今滝一恵さん。彼女は、“お祭りは、失った故郷に帰る 大切な拠り所”と、地元に古くから伝わる「地蔵盆」を復活させ、続けてきましたが、伝統を守ることは簡単ではありません。大室南部神楽保存会にも同じ苦労があるのではないかと考えていたのです。
大室南部神楽保存会は、東日本大震災後に復活してから3年続けていた祭りを、今年は開催しませんでした。大人も子供も日々闘いながら神楽と向き合ってきましたが、大室地区は高台移転を来年に控えており、まだまだ暮らしを立て直すことで精一杯という現実がありました。
今滝さんはじめ、神戸での公演を運営するボランティアも大室南部神楽の大ファン。公演・交流を通して伝えたいことがありました。
「(神楽を)やめるのは簡単だが、一度やめてしまったら立ち上げるのは本当に難しい。大変でも続けて欲しい。」
“蘇りの神様”と言われる生田神社(神戸市中央区)で大室南部保存会は『くずし舞い』という演目を披露し、大室の心意気で応えました。