南三陸町戸倉の波伝谷(はでんや)にある1軒のレストラン
三浦さき子さんが営む、農漁家レストラン「慶明丸」です。
メニューはひとつ、地元の食材を使った「さき子さんのおまかせ定食」です。
地元の人、遠方からのお客さんでお店はいつもにぎわっています。
さき子さんが店を始めたのは50歳の時でした。
店の名前は、亡きご主人と息子さんの名前からとってつけたもの。
店の名前を入れた「浮き玉」を看板として飾っていました。
2011年、東日本大震災
慶明丸のある波伝谷にも津波が押し寄せ、集落の80軒全てが流されてしまいました。
しかし、その1年後…
店の看板として使っていた浮き玉がアラスカで見つかり、
さき子さんの手に戻されました。
亡きご主人の「慶」の文字。
背中を押されたように覚悟を決め、同じ場所に店を再建したのです。
さき子さんとお店を支えるのは
お店と同じ名前の「慶明丸」で漁に出る長男の明弘さん。
漁師であり、潜水士でもあります。
夏はウニ、冬は志津川名産のタコの漁へ。
さらに、明宏さんの長男である将平さんも1年半前から船に乗るようになりました。
自分がとってきたものを、おばあさんが料理して(お客さんに提供する)、
というのは嬉しいことだと将平さんは話してくれました。
家族3世代でつむぐ、ふるさとの味
「慶明丸」は今日も元気に開店しています。