東松島市・宮戸島 月浜地区の“鳥追い”の行事「えんずのわり」。
“鳥追い”とは、農作物を荒らす鳥(悪いもの)を集落から追い払うこと。
この農作物を荒らす鳥⇒意地の悪い鳥がなまって
「えんずのわり」となったと言われています。
この行事は200年以上も受け継がれ、
2008年には国の重要無形民俗文化財に指定されました。
「えんずのわり」に参加するのは、地区の7~15歳の男の子達。
1月の11日~16日の5泊6日、地元神社そばの岩屋で共同生活をします。
薪で火を焚いて暖をとり、食事の支度も子供たちだけでやります。
14日には、集落の家々をまわって鳥追いの言葉を唱えてまわります。
しかし、人口の減少や震災などが重なり、参加する子供の数は減ってきています。
それでも地区の子供たちの意思が、行事を支えてきました。
大将を務めた鈴木颯斗くん(15)は、今年で参加が最後になります。
颯人くんは震災前は幼く、かつての集落の様子をあまり覚えていないといいます。
だからこそ、一日でも早く復興してほしいし、この地区に暮らし、
月浜の風景を自分の目で見たいと話してくれました。
来年、行事に参加する人数がまた減ってしまいます。
でも、今年お兄ちゃんたちの「えんずのわり」に目を輝かせ
歌で体を揺らしながら見つめるかわいらしい姿がありました。
山内優汰くんは今はまだ2歳ですが、将来の大将候補。
大人だけでなく、子供たちも
伝統行事を通して地区を立派に守っていっているのです。