カフェの居心地をより良くしている店内の家具…
座ってお話したり、手荷物をちょっと置くのにいいお肉屋さんのベンチ…
石巻市内で、利用する人たちに評判の家具を作っているのは「石巻工房」。
7年前にスタートした、従業員7人の小さな家具のお店です。
工房長の千葉隆博さん。
実家はお寿司屋さん、千葉さんも元は寿司職人でした。
しかし、自分の人生を見つめ直す出来事が起こります。
2011年3月 東日本大震災。
店舗を津波が襲い、そのすぐ近くの実家で母親を亡くしました。
その時点では、店の再開も難しい状況でした。
そんな千葉さんの新たな一歩、背中を押したのは“ベンチ”でした。
津波で更地になった石巻のまちのイベントにと千葉さんが作ったベンチを、
その後も地元の人達が愛用してくれました。
仮設住宅のベランダ代わりにとベンチを作る活動を続けていると、
問い合わせや注文がくるようになったのです。
こうして家具作りを本格的に仕事にし、「石巻工房」は誕生しました。
雨にも強い“レッドシダー”という木材を使い、
信頼するデザイナーがデザインしてくれた家具を
『石巻』で形にします。
そして、千葉さんの背中を押してくれるもうひとつの力は家族。
それは、寿司屋を再建した父と妻ののりこさん。
母亡きいま、のりこさんがお店を手伝ってくれています。
千葉さんの活動、「石巻工房」の家具は、
様々な人の思いと力に押されて
県内・県外へ広がり、そして海外へと羽ばたき始めました。