一見、木の箱…実は“カホン”という楽器。
南米ペルー発祥の打楽器で、
フラメンコのパーカッションとしても欠かせない楽器です。
不思議な魅力のある楽器カホンを
石巻で18年作り続けているのが、青沼義郎さん。
全国に根強いファンをもつカホン職人です。
青沼さんの作るカホンは、低音がきれいに出て
ドラムセットにも負けない迫力があると
プロのミュージシャンからも高く評価されています。
カホンと出会ったのは、とある音楽ライブの会場。
「どうして箱からこんな音が出るのだろう?」
その音に感動し、魅力にとらわれました。
もともと手先が器用な青沼さんは、
いつしか自分で作ることにのめりこみ、試行錯誤を続けます。
祖父の代から営む町の電気屋さんの傍らで、
カホン職人の道を歩みはじめました。
そして、全国に届けたカホンは1万台を越えました。
震災後には、震災瓦礫を再利用したカホンも作りました。
青沼さんの工房も津波被害に遭いましたが、
数ヶ月で再開させます。
この時、『故郷・石巻に賑わいを生み出したい』
カホンなら誰でも手軽に楽しめるはず、と
震災の1年後“カホン”作りのワークショップを始めました。
こうしてカホン作りを通じて多くの人と人が繋がり、
石巻に新たな交流の場が生み出されています。