医師の奈良隆寛さん、発達障害の専門家です。
ご自身も脳性麻痺の障害をもっています。
小さな頃はやはり体育が苦手、
手先も不器用なほうで図工も得意ではありませんでした。
でも、エレクトーンを教えているお母様の影響もあり、
大の音楽好きに成長しました。
学生時代はコントラバスを…そして今は、“サーランギ”。
100の音色という意味のインドの楽器です。
サーランギは弦が3本、
その後ろに35本もの共鳴弦が張ってあります。
インドの音楽はミーント=“間の音(中間の音)”を大事にする音楽。
共鳴弦があることで生まれる余韻や間の音が
不思議で心地よいのです。
奈良さんは、サーランギの演奏から感じることを診療に生かしているそう。
それは「線引き」をしない考え方。
サーランギの“間の音”のように、途中にいることを認めてあげること。
発達の過程はそれぞれ違うし、共鳴する人は必ずいてくれる。
だから、『大丈夫。』
奈良さんは、そう話してくれました。