岩手県陸前高田市の内陸部にある「ちいさいおうち」。
図書館です。
東日本大震災で被災してしまった市内の図書館の代わりに
2011年11月、この場所が生まれました。
ボランティアスタッフ高橋さなえさんは当時を振り返り、
町にはまだガレキが残り、
やっと仮設のお店ができたような状態。
そんな中でここだけ、ぽっとあたたかい明かりがついて
別世界のようにいい空間だったといいます。
高橋さんが大好きな本は、図書館の名前になった“ちいさいおうち”。
一番最初にここにやってきた本なのだそう。
「ちいさいおうち」は故郷の意味を優しく伝える絵本です。
この1冊の本から始まり、現在の蔵書は5500冊。
多くの人の思いがつまった「ちいさいおうち」は、
いまも訪れる人たちをあたたかく包むやさしい空間です。
気仙沼市にも絵本カフェがあります。「架け橋」。
代表は地元出身の半沢裕子さんです。
現在3児のお母さんでもある半沢さんは、震災で母を亡くしました。
家事・介護・育児…多くのことをやらなければならず
ひきこもりのような生活だったといいます。
大きな転機は2017年
ママ友たちと共にこの「絵本カフェ・架け橋」オープンすることに。
ここで子育て支援員・支援士がお子さんを抱っこしてる間、
ママは温かいご飯を食べられる
いつ来てもひと息つける、くつろぎの場所をイメージしたのだそう。
子供と一緒に出勤できるのが架け橋のもうひとつの魅力。
絵本カフェ・架け橋はママたちが笑顔になる場所です。
子供が笑ってると親も笑う、
そしてそれを見た多くの人が笑顔になると半沢さんは言います。
しかし、コロナウイルスの影響で現在は休業中です。
それでも、こんな時だからこそ
子供たちとじっくり向き合う時間にしていきたい。
親子の接点に“絵本”を。
半沢さんは、こどもたちが笑ってると頑張れる。
絵本で笑顔に。日々笑顔で。と話してくれました。