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    2018年2月24日 放送
    宮城の人と星空

    遡ること江戸時代、仙台藩は天体観測を行っていました。
    七夕まつりも“星まつり”とも呼ばれ、
    伊達政宗公がとても大切にしていた行事のひとつだったそう。
    そして、1955年には仙台市天文台が西公園(現在は錦ケ丘に移転)に
    建設されました。その費用の半分は、実は市民の募金・寄付でした。

    多くの人に愛され、支えられている仙台市天文台に
    44年お勤めの高橋博子さんにお話を伺いました。
    高橋さんの一番印象に残っている星空…“2011年3月11日の星空”。
    東日本大震災が発生した夜、肉眼で見える最も暗い星の光までが見えました。
    それは、宮城だけでなく東北の広範囲で大規模な停電がおきたからです。
    ハッとするほどの満天の星空ではあったが、
    こんな時に星空を見ていてはいけない、とも思ったのだそう。
    しかし、震災後、「あの日の星はきれいだった」という声にたくさん出会います。
    そこで、あの日の星空に託した人々の思いを伝えようと
    3.11の星空を再現、新聞投稿に寄せられたあの日の星空への思いを
    職員が語り部となって伝える『星空とともに』というプログラムを作りました。

    一方で、悲しい記憶の刻まれた星空を再現することへの葛藤もありました。
    その時、背中を押したのは、当時小学5年生だった菊地里帆子さんの作文。
    故郷の閖上が津波に襲われる様子を目の当たりにしていた里帆子さん。
    “輝く太陽がなくなったら 私が小さく輝けばいい。
    小さな私でも誰かの心の光、希望の光となるように一生懸命がんばります。”と
    六魂祭でよみあげている声を耳にして、勇気をもらったのだそう。
    そして、彼女の作文をそのままプログラムで紹介する形で、
    『星空とともに』は完成し、これまで上映してきました。

    プラネタリウムで上映する満天の星々の数より
    はるかに多くの方の命が犠牲になってしまったあの日のことを伝えていく
    天文台で働く自分たちにできるカタチなのだと話してくれました。
    『星空とともに』は、来年の3月に第二章上映を目指して制作しているそうです。

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