Nスタみやぎスペシャル2022「戦争が棲んでいた~仙台空襲77年~」

1945年7月10日午前0時3分。
仙台上空に現れたアメリカ軍の爆撃機「B‐29」が焼夷弾を投下。
仙台市の1万1933戸が焼失。1399人もの命が失われた。
あれから77年、世界で悲劇がまた繰り返されている。

◆ 仙台空襲 アメリカの資料から見えた真の「狙い」
仙台市内に暮らす戦争体験者たちを取材。「いったい何が起きていたのか」
貴重な証言からあの夜の悲劇が克明に浮かび上がってきた。
そして、アメリカ軍の資料から見えてきた冷酷とも言える緻密な作戦とは。

◆ 空襲は予告されていた!?予告ビラの真相「7月10日は灰の町」
空襲の前、アメリカ軍は予告のビラを撒いていた。
「7月10日は灰の町」
ビラにはそう書いてあったと伝わっている。
「予告は本当なのか」取材を進めると空襲を事前に知っていたという証言に辿り着いた。

◆ 「爆弾には目がありませんから…」見つかった予告のラジオ音源
アメリカの国立公文書館が公開している資料の中に空襲予告の音源を発見。
空襲を予告しながら国民に不安を与える「心理作戦」の全容。
予告ビラを所持しているだけで処罰された時代。必要な情報は市民に届かなかった。

◆ 悲劇は繰り返す ウクライナ人女性の思い
太平洋戦争の終戦から77年。世界では今も悲劇が繰り返されている。
ウクライナからひとり仙台に避難してきた女性。
日本での平穏な暮らしと故郷で続く戦争、葛藤を抱えながら生活を続ける。

ナレーション:後藤舜 増子華子 (tbcアナウンサー)

ディレクター:我妻優(報道部) プロデューサー:野口剛(報道部)

「戦争が 廊下の奥に 立ってゐた」
昭和の俳人、渡辺白泉さんが1939年に詠んだ句です。2年後、太平洋戦争が開戦し日本は泥沼の戦争に突入しました。当時の空気感を端的に表したこの句を知った時、とても昔の句のように思えませんでした。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻、北朝鮮によるミサイル発射実験。戦争を身近に感じた今年、かつて経験した戦争を振り返る必要があると考え番組を制作しました。
77年前、私たちの街で何が起き人々は何を経験したのか、一緒に学び考え平和の尊さを見つめ直すきっかけになればと考えています。(プロデューサー・野口剛)

テレビトップに戻る