1793年、およそ1300俵の米と材木を積み、16人の乗組員で石巻湊を出て江戸に向かった、千石船「若宮丸」。その2日後、福島県の塩屋崎沖で嵐にあい遭難。舵が壊れ、帆柱も切り捨てた若宮丸は、風と海流に身を任せ太平洋を東へ北へと流されていきました。
積み荷の米と雨水で飢えと渇きをしのぎながら漂流すること5か月半、辿り着いたのは雪に覆われたアリューシャン列島の小さな島でした。現地の人に助けられ、その後ロシアでの生活を経て、日本に帰国したのは4人の男たち。漂流から11年後、今から220年前のことでした。
数奇な運命に翻弄され、長い長い旅路を辿った、石巻若宮丸の男たち。
新・講談として綴られたその男たちの物語を、藤沢智子アナウンサーの読みでお送りします。