石巻市雄勝町 語り部・佐藤麻紀さん 取材リポート
リポート:飯野雅人アナウンサー
先日のラジオカー中継でお会いした石巻市雄勝町の佐藤麻紀さん。音楽活動を行う傍ら去年の7月から語り部としての活動もしています。小さなときから「揺れたら山へ」と教えられてきた佐藤さん。正にそれが教訓となり、命が助かったと言います。それもあって今度は自分の経験を多くの方達に伝え、防災意識を高めてもらおうと語り部として活動することを決めました。
津波で祖母と母を亡くした佐藤さん。語り部の活動をする度に、家族を亡くした悲しい記憶が甦り、時には活動を躊躇うこともあると言います。しかし、自分の気持ちを出して話をしないとウソになってしまう、普段の生活では閉じてしまっているフタを開け放って伝えなければならない、と涙を流しながら語ることもあるそうです。語り部を通して、危険な目に遭ったり、悲しい想いをする人が一人でも少なくなればいい。これは津波へのリベンジ、佐藤さんが一番伝えたいことです。
佐藤さんは語り部の活動を県外でも行いました。静岡県下田市吉佐美地区。この海辺の街の防災意識がとても高いことに驚いたそうです。震災を経験した我々が忘れてしまっていることを逆に教えられた気がしたと言います。
人の役に立てれば、と佐藤さんは今後も語り部を続けていくと力強く話してくれました。