いまも仮設住宅で暮らしながら石巻市で生活する大内さんは、東日本大震災をきっかけに人生が激変してしまいました。あれから5年半の歳月の中で、悩み苦しみ、そして50歳を過ぎての新しい挑戦…「タクシー運転手」として石巻でいまを見つめています。その大内さんの半生に迫ります。
東日本大震災が発生した直後から街も生活も人生もすべて変わってしまった大内さん。登米市米山で生まれ、仙台で大工として働いた20代。そして両親のために石巻に移り住み、大事な親御さんを亡くされてから東日本大震災に遭遇します。
震災後すぐは、避難所の取りまとめ役を任され避難所のリーダーとして仕事に徹しました。その間就業していた水産会社は休業、事業縮小となり仕事を失い1年間は貯金を切り崩しての生活。将来の再建のためにと50歳を過ぎて再就職したのが「タクシー運転手」です。
震災後に多くのものを失いましたが、5年半という歳月の中で与えられたものもある、と感じるようになりました。「人生最後の仕事」として選んだタクシー運転手。そのいろいろな思いを胸にきょうもタクシーを走らせます。