石巻市渡波 写真家 平井慶祐さん
古野真也アナウンサーリポート
石巻市で写真家として活躍する平井慶祐さんは、東日本大震災後、大阪から石巻市に移住してきました。現在は「海とともに生きる人」をテーマに水産業で働く方々を撮影しています。
ボランティアスタッフとして石巻市渡波に入ってから、海苔漁師の相沢さんという避難所の代表者と知り合い石巻に残ることを決意しました。相沢さんは津波で漁船や機械を失い、周囲の人たちから少し遅れて仕事を再開しました。準備期間は、ちょっと取り残された感もあったようですが、周囲の人達と同様に今は生き生きと仕事をされています。相沢さんをはじめ、漁師の方々が海で仕事をしている姿はとてもカッコいい、と写真家の平井さんはたくさんの写真を撮影し、その姿を多くの人たちに知ってほしいとインターネットで公開しています。
漁師の方々は「海は悪くない、津波が悪いんだ」と口をそろえていうそうです。津波と海の違いを、地元渡波の漁師さんから教わり、「外からきたからこそみえること、果たす役割がある」と信念をもって写真を撮り続けています。震災を機に石巻に来た人が、地元の人に受け入れられていくこと、新しい縁で人の温かさと地域の魅力にふれていくことを含め、今まで見たことのなかった海の男たち、石巻渡波の魅力を、写真で表現し発表していきます。
石巻市「イシノマキフィルム」 映画製作プロジェクト
嶋脇 佑さん
7月1日から、石巻で映画製作スクールを開講している嶋脇 佑さんは、アメリカ出身のジェフェリー・ジョーさんと一緒に映画製作プロジェクトを行っています。八戸出身の嶋脇さんは、もともと通信系の会社で機械に囲まれて人とのつながりを持たずに仕事をしていましたが、震災を機に自分の中にあった、忘れていた「人とのつながり」をドキュメンタリー映画製作を通じて、かつての自分を取り戻しているそうです。
人と出会い、人と接することで得た経験を映画製作に生かし、「伝える」ことの大切さを実感しながら今、参加者とプロセス(過程)を共有しています。映画製作で共有した時間や人への思いに対して湧き出した人間らしい感情や思いを、みんなでシェアしながら、映画完成までの時間をも楽しんでいます。自分のありのままの姿をさらけ出して、得るものがいったいどんなものなのか、今後、映画を発表する瞬間まで参加者といっしょにじっくり楽しんでいきたいと話してくれました。発表会は7月29日、プレナミヤギホールで行われます。