石巻市 おにぎり 野田や 野田恵一さん
後藤 舜アナウンサー取材リポート
「いしのまき元気いちば」から西に徒歩5分ほどの場所にある「おにぎり 野田や」の野田恵一さんです。
創業38年のお店は奥様と2人で経営していますが、元は2代続いていた下駄屋でした。好きだった料理を仕事にしたいという思いから思い切って業種転換したそうです。朝6時から開店していて、朝は通勤・通学のお客さんと昼は休憩中のサラリーマンが多く訪れます。
2011年の東日本大震災では、広報車の「津波が来るから逃げろ」という警告で(来ないと思っていたが)店の2階に避難したのですが体は水に漬かってしまい部屋のカーテンに包まって1日過ごし、その後日和山のお姉さんのところに避難したそうです。お店も津波にのまれてしまいました。
絶望の中にいた日から今まで8年8か月。。。お弁当を購入しに来てくれる常連さんやボランティアの方々が手伝い・差し入れを申し出てくれた人たちのこと、あの日を思い出すと言葉が詰まります…。「おにぎり野田や」は、震災発生から半年後にもとの場所で営業再開、今も笑顔でお客様を迎えています。
最後に、野田さんはご自身の引退を85歳と決めていて、これからの10年を大切にし「美味しいものを作ることが恩返し」という目標をもって今日もお店に立っています。愛情のこもったおにぎりと店自慢のお惣菜、カレーを是非一度買いに立ち寄ってほしいお店です。
ISHINOMAKI2.0 阿部拓郎さん
伊藤晋平アナウンサー取材リポート
石巻市月島出身の阿部さんは東日本大震災をきっかけに石巻に戻り、自宅・家族の復旧・復興をすることを決めました。幼い頃の体験をきっかけに「石巻のことが好きじゃない」と言う思いを持ち、仙台の大学を出た後は東京で生活を送っていた、そんな阿部さんを取材しました。
いろりカフェの運営から、いしのまき学校、移住ガイド事業など様々なことを手掛けているISHINOMAKI2.0の中で、阿部さんはコミュニティー事業を担っています。働き始めておよそ3年。試行錯誤しながら仕事を続けていますが、コミュニティづくりという仕事にやりがいを感じつつも、難しさも感じています。
もともと土地の縁でつながっていた場所が震災で崩壊し、全く新しい人たちとこの場所でつながりをつくる…。まだまだ「石巻を好きになっている途中」と話していますが、人と人を繋いでいく仕事に楽しさを感じている様子が伝わってきます。現在、以前勤めていたDVDレンタルショップの経験を活かし、映画を通したコミュニティづくりを手掛け、さらに石巻でのつながりの場の提供を行っています。
次のイベントは12/21(土)、旧観慶丸商店で映画の上映会を開催します。自分自身も石巻を楽しんでさらに面白い場所になれるように日々奮闘中です。