岩沼市立玉浦小学校の防災教育
佐々木夏音アナウンサー取材リポート
玉浦小学校では、3年生から6年生までの児童が学年ごとにテーマを変えて、防災学習に取り組んでいます。東日本大震災後に生まれた児童たちが、地域の方々から話を聞いたり、自分たちで学んだ防災の知識や視点を、防災マップ作りや年間で10回を超える避難訓練に生かすなど、「じぶんの命をじぶんで守れるように」というスローガンのもと、防災に関する知識を深めています。また姉妹都市の高知県南国市の小学校とも防災交流を続けるなど、継続に震災の経験を未来につなげる活動を行っています。
その取組みが、地域における優れた防災教育を表彰する「ぼうさい甲子園」でグランプリに選ばれました。
佐々木夏音アナウンサーが、6年生がこれまでの小学校生活で続けてきた東日本大震災や防災についての学習を発表する「防災学習発表会」を取材し、東日本大震災を経験していない世代が増えていくこれから、どのように防災教育と向合っていくのか。これまでの玉浦小学校の取組みと、これからの玉浦小学校の防災教育についてリポートしました。
蒲生なかの郷愁館
制作チーム・開館準備室代表 八巻寿文さんインタビュー
東日本大震災で災害危険区域に指定され、居住することができなくなった仙台市宮城野区蒲生地区。この地区は2016年に閉校した中野小学校を中心に住民同士の繋がりが強い地区でした。今は工業地帯になりましたが、土地に愛着を持つ元住民たちは、地域の歴史と震災の記憶を後世に語り継ぎ、交流できる場を作れないかとの思いから、伝承施設を望んでいました。
去年3月に、中野小学校跡地に作られた「なかの伝承の丘」に臨む場所に開館したこの施設には、地域が辿った歴史や出来事、自然などを伝える資料が展示されています。
その展示からそこに住んでいた人々の暮らしを想像することで、震災で故郷を離れざるを得なかった人たちの、今もなお変化し続ける地域の姿や土地の記憶を未来につないでいきたいという思いが込められています。
「蒲生なかの郷愁館」に込められたその思いなどについて、開館準備室代表として開館に尽力され、現在も施設の運営に携わっている八巻寿文さんにスタジオでお話を聞きました。
小説「海翔けた龍の記憶」
著者 阿部圭いちさんインタビュー
著者の阿部さんは、宮城県職員として水産業に関わる地域振興に従事。県が作成した宮城で古くから行われてきた漁具漁法の記録を高齢漁師の方々から聞き取りし、広く伝えるための資料「宮城県の伝統的漁具・漁法」の調査・編集・執筆を担当し、浜に伝わる歴史や伝統、文化に魅力を感じていました。
東日本大震災を契機に三陸沿岸被災地で急速に過疎や高齢化が進み、宮城の海を生業の場として生きてきた知られざる歴史や文化、民俗などの記憶が失われていくと強く感じ、これらの記憶を拾い集め未来に繋いでいくことが地域貢献につながるという思いから執筆活動を始めました。去年10月に、江戸時代後期に現在の石巻市雄勝町大須浜を拠点に交易を行っていた「海の商人」阿部家の若き当主を主人公にした歴史小説「海翔けた龍の記憶」を自費出版しました。
この本に込めた思い、また地域に埋もれた記憶は、今後の地域の魅力を発信するための「宝の種」という阿部さんの思いをスタジオで聞きました。