「ミャンマー大地震から1カ月」
東北大学国際科学研究所 遠田晋次教授
根本宣彦アナウンサー 取材リポート
先月28日にミャンマー中部マンダレー近郊を震源とするM7.7の地震が発生。これまでに3769人が死亡し、5109人が負傷、行方不明者は107人に上るとしている。
この地震はザガイン断層という1200kmぐらいある非常に大きい活断層の一部が動いて起こった地震で、この断層では1900年以降、M7を超える地震が何度も起きていることが分かっている。
被災地は建物や地盤が軟弱だったこともあり多くの建物が崩壊したほか、交通網や通信、医療機関など重要インフラが大きな被害を受け、人命救助や支援物資の供給にも影響が出ている。今回の地震では長周期の地震波によって1000㎞以上離れた隣国タイのバンコクでも被害が起きた。
日本でも南海トラフで大地震があれば東京や東北の盆地でも同じように長周期の地震波によって高層ビルに影響が起きる可能性があるため、物が移動しないように固定するのが大切であると遠田教授は話した。
「文化財レスキュー」
東北大学国際科学研究所災害文化アーカイブ研究分野 蝦名裕一准教授
根本宣彦アナウンサー 取材リポート
文化遺産が災害で被災した際に、災害後の片付けや復旧の過程で破棄され、失われることを防ぐために行われる文化財レスキュー。
東日本大震災の際には、地震発生から1か月後に石巻市の門脇地区で最初のレスキューが行われた。津波で被災した旧家や土蔵の中に入って被災した古文書を探し出しては運びだすという作業を半年から1年間続けていたそう。古文書の応急処置やどのように文書を搬出したらいいかなどは、文化財の専門家からアドバイスを受けながら実践をしていたと蝦名准教授は話す。
古文書レスキューの活動は徐々に宮城県内の学生、一般ボランティアに広がり、東北大学に設置された宮城史料ネットのオフィスでは毎日のように大勢のボランティアによって被災した古文書のクリーニング作業が行われている。